リゾバでできる仕事の一つに「仲居」の仕事があります。
基本的に宿泊施設で接客をするという点ではホテルマンと同様の仕事内容ですが、そこをあえて「仲居」という仕事を選ぶ事のメリットや注意点についてまとめます。
仲居の仕事内容とは?
仕事の内容的にはホテルマンと大きな違いはありません。
旅館や料亭を利用するお客様に対して気持ち良い接客を通し、感動を提供する「おもてなしのプロ」という点では同じ分野です。
ホテルマンと大きく違う点を挙げるとすれば、仲居は日本独特の文化を元にした仕事であるという点でしょう。
基本的な考え方や接客マナーなども古来からの日本文化に由来し、服装や作法もホテルマンとは異なります。
元々、公家や門跡で奉公する人の控え室を「中居」と呼んでいた事に由来することから、その歴史の長さを伺う事ができます。
具体的な仕事内容は事業所によって異なりますが、基本的には以下の内容です。
・ お客様のお出迎え
・ ご案内
・ 料理の配膳・下膳
・ お客様のお見送り
・ 清掃業務
時代は変われど、お客様をおもてなしするという点では本質は大きく変わりません。
以前は女性のみの職業でしたが、現在は男性でも従事しているという点は大きく変わった点と言えるでしょう。
仲居の着物について(本式着物・二部式着物・作務衣)
仲居と言えば、やはり「和服」でしょう。
伝統的な和服に憧れて仲居の仕事に興味を持つ人もたくさんいます。
本式着物
格式の高い旅館や、正社員採用の仲居になると「本式着物」と呼ばれる和服を着る事が多くなります。
これは一般的に「伝統的な着物」と呼ばれる、着付けが大変そうなアレです。
和服の下に襦袢(じゅばん:和服の下着)を着て、さらに帯を締めて化粧や髪型も服装に合わせたものにしていくため、慣れないとかなり大変です。
着付けが上手くできないからと言って業務に支障が出ては仕事になりません。
仲居は自分の着付けぐらい出来て当たり前の世界。ここで気後れしては始まりません。
二部式着物
リゾートバイトの仲居は「二部式着物」が主流になっているので着付けに自信がない人でも安心してください。
これは着物が上着と巻きスカートの上下に別れたタイプで、帯も二部式帯があります。
見た目には全くわかりませんが、二部式は洋服感覚で着る事ができ、時間も5分程度しかかかりません。
短期契約で働く事が多いリゾートバイトスタッフには心強い味方だと言えます。
作務衣
また、ホールスタッフや清掃スタッフがメインで働く場合「作務衣」が制服になるケースがあります。
これは憧れの着物…というイメージからは離れますが、作業性は抜群です。
また、リゾートバイトスタッフとして働く仲居には作務衣を貸与する旅館もあります。
着付け等の心配もありませんので「仲居として働いて見たいけど、和服を着こなす自信がない」という方は、作務衣で働けるリゾートバイトを探してみるのも良いでしょう。
仲居の仕事の良いところ(やってよかったこと)
仲居の仕事の最大のメリットは「日本式の接客マナーが身に付く」点でしょう。日本式のおもてなしは世界の接客業のエキスパートも注目するほどです。
日常業務である「お客様のお出迎え」を一つとっても、挨拶をすれば良いだけ…という話ではありません。
玄関先の清掃や季節の花を活ける演出、暑い時期なら打ち水をしたり、雨の日には番傘(日本伝統の傘)を用意するなど、その一瞬で最高のおもてなしをできるよう心がけなければいけません。
その時々に応じてお客様に感動を提供する事が自然と身に付けば、どこへ行っても通用する接客スキルになります。
このような細かいおもてなしを一つずつ丁寧に行う事でお客様に喜んでいただき「ありがとう」と言葉をかけてもらえると励みになります。
もちろん、仕事として行なっているから当然の事をしているだけなのですが、そこに気持ちがあるのと無いのではお客様の反応は全然違います。
その積み重ねが自信に繋がり、仕事に対するモチベーションアップやスキルアップにも繋がっていきます。
余談ですが、良い接客が出来るとチップを貰えたりするのも仲居の仕事のメリットと言えるでしょう。
日給以外に1日1000円でも頂くことが出来れば、かなり大きい副収入になります(笑)
仲居の仕事のきついところ
仲居の仕事は業務内容が多い上に緊張感もあるので体力勝負と言っても過言ではありません。
さらにフルタイムで働くと長時間労働になりがち。中抜けシフトの住み込みになると、朝から晩まで働いているような感覚になります。(中抜けシフトとは、6〜10時・17時〜22時のように間があくシフトのこと。)
細かい作法も日常生活では触れる機会が少ないため、慣れるまでは苦労をする人が多いです。
特に高級旅館になれば、お客様もハイクラスな方ばかり。完璧な接客が不可欠になります。
また外国のお客様は和式の接客を楽しみにして来る方もいますので、相応のスキルが求められます。
一般的な旅館になればリゾートバイトにそこまで高水準な仕事を求める事はありませんが、逆に雑務全般を任される事が多く、1日中走りっぱなしになるケースもあります。
地味にキツイ事が、お客様に地元採用のスタッフと間違えられる事。
旅館周辺のおすすめスポットを聞かれても地元じゃ無いからわかりません…と応えるわけにもいかないので、勉強が必要になります。
仲居の仕事を見つけるなら派遣会社を通した方が良い
仲居の仕事をしてみたいけど、どうやって見つけたらいいのか分からない。という方は意外に多いかと思います。
基本的に、リゾートバイトのような短期の住み込みで働く場合は派遣会社を通すのが一般的。
旅館に直接応募するという方法もありますが、それはおすすめできません。派遣会社を通して働くことをおすすめします。
理由は
・派遣会社を通すと直接契約するよりも給料が高い
・派遣会社を通すと自分の希望に沿った求人をたくさん紹介してもらえる
・何かあった時に派遣会社がサポートしてくれる
からです。
派遣会社を通すと直接契約するよりも給料が高い
これは100%というわけではありませんが、基本的に派遣会社を通した方が給料は高くなります。
というのも、旅館側でも常に求人を出しているけど人が集まらない。
だったら、派遣会社を使って少し高い給料で全国各地から人を集めよう!
という背景があって旅館側は派遣会社を利用して求人を出しています。
なので、旅館に直接雇用されるより派遣会社を通した方が圧倒的に待遇が良い場合が多いですよ!
ちなみに、僕が以前働いた職場では直接契約のアルバイトの人が時給950円。派遣会社を通した僕の時給が1100円でした。
なんと時給150円の違い。週40時間働いたら6000円も変わってきます。1ヶ月で2.4万円。これは本当に大きな差ですよね?
派遣会社を通すと自分の希望に沿った求人をたくさん紹介してもらえる
直接契約となると、自分でいろんな旅館に連絡して仕事を探すことになるかと思います。
それが派遣会社を通すことによって、自分が希望する条件を伝えればそれに沿って求人をいくつも紹介してくれます。
なので、仕事を見つけるのも非常にラクですね。
何かあった時に派遣会社がサポートしてくれる
・事前に聞いていた内容と仕事内容が違う
・寮があまりにも汚い
・あまりにも理不尽な対応をされる。
こんな感じのトラブルってたま〜に起こりうるものです。
僕自身こういったトラブルには今の所遭遇していませんが、僕と同じ職場だった派遣の方が仲居業務を希望して仲居として雇われたのに、レストランのホールに配属されてしまったというトラブルがありました。
そんな時でも、派遣会社を通していれば事情を伝えて、あとは派遣会社と派遣先の旅館との間でやりとりするだけ。
派遣会社を通すと、何かあった場合に派遣会社が第三者として間に入ってくれるので非常に助かります。
もし、派遣会社を通していなければ自分で対処しないといけないので面倒ですよね。
まとめ
仲居の仕事は確かに厳しい面もありますが、勉強になる事も多く機会があればやっておいて損はない仕事です。
基本的に女性スタッフ募集の求人が多いですが、男性スタッフ募集の求人も全く無いわけではありません。
ますます国際化する社会の中で「日本人らしさ」を磨くのも一つのスキルになるでしょう。